NaruNaru Management Philosophy

なるなる経営哲学解説 創業期に掲げた指針を、AI時代にあらためて言葉にする

一般社団法人アイエムアイ代表理事北川 仁美

なるなる三大基本原則となるなるの経営哲学を示したポスター

— なるなる 三大基本原則 / なるなるの経営哲学 —

みなさんこんにちは!
アイエムアイの北川仁美です。
今日はこの「なるなる経営哲学」について簡単ですが解説させていただきたいと思います。


まず、なるなる経営哲学7項目から解説していきます。

I.

☆ 実業主義(Be dwarf.)

ネットで情報を配信する仕事より、現場で汗を流す仕事をとれ。

Be dwarfというのは、「ドワーフのごとくあれ」という意味で、天使のような正義感・プライドや、妖精のような才能、そして人間のような欲から離れてたんたんと仕事をこなすドワーフ、つまり北欧神話やゲルマンの伝承に登場する、小さな体躯と卓越した鍛冶・工芸の技術を持つ伝説上の人たちのようにコツコツと目の前の仕事をしましょうというような意味の掛け声になります。

もうこの哲学を打ち立ててからは13年の月日が流れました。最近はAIがどんどんと私たちのビジネスや生活に浸透してきて社会を根底から変えるのではないかというところまで来ています。

しかし、この理念は今も十分に力を持っていると思いますし、これからも私たちの大切な働き方の理想像であり続けると私は信じています。

そして「実業主義」。これは、ネット全盛、AI全盛の現代に例えれば、私たちが汗を流して働くことをやめてPCやスマホに向かって情報のみでやり取りをする、それを仕事だと思ってはいけない、という戒めでもあります。

現場で体を使い、お客さんとは対面で泥臭いかもしれないけれど、労働というものを日々行っていく。ここに我々の原点があるという意味での実業主義になります。なので、現代でいえばAIで生成したものを使ってマネタイズするとか、ネットで保育のマッチングビジネスを展開するとか、そうした仕事は私たちには似合いませんよということなのです。これが実業主義。

II.

☆ 経験主義

精神論より経験論
そもそも論、社会論、時事論のような話は何も生み出さない。
現実を真面目に生き、自らの経験のみを語れ。

次は、経験主義です。私は、哲学を考えたり書いたりすることは好きですが、人とだべったり、あれこれ議論したりすることがとても苦手です。政治の話や、さまざまな社会問題を身の回りの人と議論して何が変わるというのでしょうか。私たちが行動する以外に未来を変えることなどできないのです。黙って実践あるのみです。

そして、マスコミからの情報やニュースは伝聞にしかすぎません。伝聞を語ることなかれ。私が語れることは、自分が実際にしてきた経験だけなのです。だから経験を大事にしましょう。そういう意味でこの経験主義を経営哲学に含めました。

III.

☆ 中道主義

極論の中に正義なし。正義は常に中道にあり変化している。
物事に白黒をつけることをもって思考を停止するな。

三番目。中道主義です。人間はともすれば白黒、右左のステレオタイプになりがちです。なぜなら、それが脳には楽だからです。でも楽な道には必ず退化という落とし穴が待っています。知らず知らずのうちに、自分の頭では考えられなくなってしまうことが恐ろしいことなのです。

中道主義の中道とは、決して中途半端でいろということではありません。どっちつかずの生き方を最初から選んでしまうとグダグダになってしまいます。そうではなくて、まずは、両極端を知る。積極的に両極端を知ったうえで、どちらからも距離をとった自分なりのスタンスを構築していく。これがなかなか大変なことでもあります。

なので中道はど真ん中とは限りません。そして一度決めたら動かないものでもありません。常に変化し続けている。そうした自分の居場所を常に確認するという意味での中道主義です。

IV.

☆ 客観主義

自分を一番知らないのは自分。
自分の評価は人様に委ねろ。自らを評価してはならない。

四番目。客観主義です。これは主観では自分というものは意外とわからないものなのですよ、ということです。私は経験から思うのですが、自分のことを一番知らないのは自分自身なんじゃないかと思っています。

家族の一言にハッとさせられることは、これまでに何度もありました。取引先や、お客さんからのイメージを聞いて、なるほど、自分はこんな風に見えているんだなとか自己イメージを新たにしたこともあります。なので、客観主義とは言葉を変えれば「自分のことを一番知らないのは自分自身」と言い換えることもできます。自分の抱く自己イメージではなく、客観的に自分はどう映っているのかを大切にする生き方ですね。

V.

☆ 人間不完全の原則

人間は不完全であり死ぬまで完成することはない。
自分は正しい、はメンヘラ・犯罪・病気への特急券。
「自分は常に間違っている」を前提に発想しろ。

そして最も大切な人間不完全の原則に進んでいきます。「自分は正しい、はメンヘラ・犯罪・病気への特急券」とかなりきつい言葉を使っています。メンヘラは創業当時の俗語なので今だと精神疾患みたいな感じでしょうか。

人間は大雑把に分類すると、自己評価が低く自信のない人、逆に自信が過剰気味な人、そのどちらでもない人、と別れるとします。自分を過剰に追い込んで自分は正しくないんだと思い込んでいる人にはこの原則はあてはまりません。むしろその思い込みをいったん外してみたほうがいい。でも、その人以外の多くの方は知らず知らずのうちに自分は正しいと思い込みがちです。そうすると周りの意見が聞けない、ビジネスや投資の判断で間違う。そのようなことが起きがちなのです。

これは私の経験なのですが、自分は正しくないと思っていたほうが他人の意見を素直に聞けるし、ビジネスで人に会うことが楽しみになってきます。なぜなら彼らは自分に答えを教えてくれる人たちなので。なので、私の経験上自分は正しいと思って生きるよりも間違っていると思って生きるほうが人生楽だし楽しいですよと言いたいのです。

私の言う人間不完全の原則はすごくポジティブなのです。だからどうせ自分なんかというようなネガティブな自己否定とは一線を画しています。そこを理解していただければ幸いです。

VI.

☆ エゴを直視せよ

人間関係不調和の原因は、エゴである。
エゴとは自己中心的な考え方である。
生きている以上、エゴは消せない。しかし自分のエゴを直視しどう折り合いをつけて行くかが大切である。

つづいてエゴに進んでまいりましょう。エゴ、自我とも言います。人間は生きる以上はエゴは一生消えません。なぜならそういう生き物だからです。生き物である以上はエゴがなければ生きる気力さえなくなってしまいます。

だからこれはあるという前提で、では、エゴとエゴがぶつかれば争いになりますよね。そしてどちらが正しいかという話になります。私はそれではあまりに子供っぽすぎると思います。みんなエゴはあるんだとお互いが理解しあったうえで、ではどうしたら調和できるかを考える。エゴから目を背けるのではなく、エゴを直視し、そのうえで調和を考えていく。

私だけではなく、仕事にかかわるスタッフ全員がこれを意識したときに職場環境は一変すると思っています。なので、これも働く人たちの無意識の習慣となるよう日頃から心がけましょうということです。業務内容とは関係のない、小さな事かもしれませんが、とても大切な点だと私は思っています。

VII.

☆ 仕事とは、苦しいものである

「楽な仕事などない」という前提で発想し、苦しい中でいかに明るくやりがいを見出して行くかが大切である。

最後に、これは仕事哲学ですね。楽な仕事というものはありませんよ。そういう幻想がどこかにあると目の前の仕事がつらく感じてしまいます。楽な仕事はありません。もう一度言います。仕事とは苦しいものです。これを前提にしたときに、本当のやりがいや楽しさが後からやってきます。

楽な仕事ないかな。ありません。楽して儲けられることないかな。ありません。最初が楽だと最後は苦しみが襲ってきます。最初は苦しいがどんどん楽しくなってくる。あなたはどちらの道を選びますか。後者がいいという方は、この原則をしっかり刻みましょう。きっとこの原則が自分のこれからのかけがえのない経験に変わっていくと思います。

さて、以上がなるなる経営哲学の簡単な解説になります。最後にさらっと三大原則のお話をしておきます。

なるなる 三大基本原則

  • 親しき中にも礼儀あり
  • スタッフ間の指示・命令禁止
  • 個性の違いを認め合う

これは読んでの通りです。下手に解説を加えると蛇足になってしまいます。

正直に話すと、これは私がされて嫌だったことを180度逆にした原則なのです。論語にある「己(おのれ)の欲(ほっ)せざる所(ところ)は、人(ひと)に施(ほどこ)すこと勿(なか)れ」。自分がされて嫌なことは人にはしないでね。そういうことです。

付き合いが長くなればなるほど、馴れ合いの関係になって「お~い、○○」「あのさ~」みたいな。こうしたグタグタの人間関係が家族であれ、職場であれ私はとても嫌なのです。
そうではなくて、付き合いが長くなればなるほど、お互いが阿吽の呼吸のようになって礼節がびしっと通って、相手の個性を尊重しあう。こんな理想の人間関係を言葉にしました。(親しき中にも礼儀あり)

次は、保育現場等で、「仁美ちゃん、○○して」「あなたなんで私の指示に従わないの!」これもダメですね。(スタッフ間の指示・命令禁止)

みんな仲間なんだから同じにならなきゃダメ。
これも私の考える調和とは程遠い考え方です。違う個性が集まって輝きあうのが本物の調和です。みんなが同じというだけで調和というのは違うと思いますね。それは同調圧力といいます。(個性の違いを認め合う)

以上簡単ではありますが、なるなる経営哲学の解説をさせていただきました。
なるなるのスタッフのみならず、一般の方々へも何らかの参考になればこれに勝る幸せはありません。

北川 仁美

一般社団法人アイエムアイ 代表理事
2026年6月20日収録
スライド解説版はこちらです

目次
☆ 実業主義(Be dwarf.) ☆ 経験主義 ☆ 中道主義 ☆ 客観主義 ☆ 人間不完全の原則 ☆ エゴを直視せよ ☆ 仕事とは、苦しいものである なるなる 三大基本原則
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